歯の表面は人体最強!?
私たちの体の中で、最も硬い部分はどこだと思いますか?
骨?爪? いいえ、正解は――歯の表面「エナメル質」です。
あまり知られていませんが、エナメル質は人体で最も硬い組織。
鉄よりも硬いとされることもあるほどで、私たちが毎日食べ物をしっかり噛めるのは、このエナメル質のおかげなのです。
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エナメル質は、歯の一番外側を覆っている白い層のことです。
歯の中には「象牙質」や「神経」などさまざまな組織がありますが、このエナメル質がいちばん硬く、いちばん外側で歯を守る“バリア”の役割を担っています。
硬さの目安となる「モース硬度」で比較すると、エナメル質は約5。これは鉄の硬度(約4〜5)と同等かそれ以上とも言われています。すごいですよね。
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💥硬いけど壊れやすい?エナメル質の意外な弱点
「そんなに硬いなら、安心!」と思われるかもしれませんが、ここがちょっと不思議なところ。
エナメル質は非常に硬い反面、衝撃や酸には弱いという性質があります。
たとえば…
• 硬いものを噛んでヒビが入ることがある
• 酸性の飲食物(炭酸、果物など)で溶けやすい
• 一度削れたり虫歯になったりすると再生しない
つまり、「硬い=壊れにくい」ではないんです。とても丈夫だけど、扱い方を間違えると壊れてしまう――まるで繊細なガラスのような存在かもしれません。
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エナメル質は一度傷つくと、自然には戻りません。
だからこそ、日々のケアがとても大切になります。
• ゴシゴシ磨かず、やさしく丁寧に歯をみがく
• 酸性の飲み物(炭酸・ジュースなど)はダラダラ飲まない
• フッ素入りの歯みがき粉を使って再石灰化をサポートする
• 歯ぎしりや食いしばりがある場合は歯科医に相談する
大切なのは、「強さに甘えず、優しく守る」という意識です。
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体の中でいちばん硬いのに、意外と傷つきやすい――。
エナメル質は、まさに“強くて繊細なガードマン”のような存在です。
毎日の食事や歯みがきの中で、その存在をちょっと意識してみませんか?
しっかり守ってあげることで、あなたの歯はもっと長く、美しく、元気でいられるはずです。