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  • 2023.11.20

唾液が減少するとどうなる?

唾液の分泌が減少することで、さまざまな病気が引き起こされる可能性があります。

①虫歯
唾液による緩衝作用や歯の再石灰促進作用、自浄作用が低下するため、虫歯発生のリスクが高まります。唾液腺の細胞が破壊され唾液分泌が低下するシェーグレン症候群の患者さんは、虫歯発生率が高いことがわかっています。


②歯周病
唾液の抗菌作用の低下で口腔常在菌叢のバランスが崩れ、歯周病原細菌が増加し、また抗炎症物質の減少により、歯周病のリスクが高まります。さらに歯周病が関与している全身疾患の発症リスクが高まる可能性もあります。


③上気道感染症
唾液中の抗菌作用の低下により風邪やインフルエンザといった上気道感染症にかかりやすくなります。唾液分泌の低下により唾液中lgA量が低下した高齢者や糖尿病患者は、上気道感染症にかかりやすくなることが数多くの論文で報告されています。


④誤嚥性肺炎
高齢者では、加齢に伴い飲み込む機能は低下しますが、唾液分泌が減り、食塊形成作用が低下することによっても誤嚥のリスクが高まり、誤嚥性肺炎を誘発します。


⑤潰瘍性大腸炎
唾液分泌の低下により歯周病を発症した場合、歯周病原細菌が大腸に到達し、腸内細菌叢のバランスが崩れ、潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患の発生しリスクが上がります。