喫煙がお口の健康に与える影響について
お口の様々なトラブルの原因
タバコにより、歯ぐきにも着色が起こります。加えて、口腔・咽頭がんの発生率が3倍になるほか、味覚が鈍くなったり、口臭を悪化させたりします。1980年代頃より、喫煙者と非喫煙者で歯周病の進行具合に差があることが注目され始め、現在では喫煙は歯周病の大きなリスク要因であることも分かっています。
喫煙者と非喫煙者は歯肉にも違いが出る
喫煙者の歯ぐきが暗紫色になるのは、ニコチンの毛細血管収縮作用と、一酸化炭素が原因です。ニコチンの血管収縮作用により、組織の血行は悪くなります。
また、一酸化炭素がヘモグロビンと結合することで、血液の色自体もどす黒くなります。このような理由で歯ぐきは健康なピンク色ではなく、暗紫色になります。
メラニン色素の沈着も強く認められるほか、辺縁歯肉がロール状に肥厚し、線維性でゴツゴツとしています。これは見た目だけではなく、実際に治療をしていても感じることができます。
☆覚えておこう!☆
タバコには4000種以上の化学物質が含まれ、そのうち40種類は発がん性物質といわれています。お口の中はタバコの煙が最初に体を通過する場所ですから、さまざまな悪影響を直に受けるのです。
タバコの三大有害物質は「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」です。ニコチンは依存性が強く、禁煙しようと思ってもなかなかやめられないのは、これが原因です。
タールはいわゆる「ヤニ」で、強い発がん性があります。タバコを吸っていると、住居の壁が黄ばんだりベタベタしたりするのは、タールのせいです。また、タバコは低い温度で不完全燃焼するため、一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと非常に強く結びつきます。普通なら、ヘモグロビンは酸素と結びついて、体中に酸素を運搬する働きをするのですが、一酸化炭素と結びつくと、体への酸素供給が妨げられます。
その結果、タバコを吸う人特有の、肌の老化が起こります。いわゆる「スモーカーズフェイス」はこれが原因です。