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  • 2023.6.14

口臭の測定・検査方法

2種類の口臭測定方法
口臭専門外来では、ガスクロマトグラフィー口臭測定機器という器械を使って口臭を測定します。息に含まれる硫化水素やメチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの濃度を測定し、それぞれの成分に定められた口臭の基準で判断します。
また、器械を使わず検査者の嗅覚で判定する「口臭官能検査」もあり、口臭を客観的に評価するゴールドスタンダートとされています。ヒトの嗅覚は多種多様なにおいを感知できる有用な方法ですが、においの感知には個人差があるため、2人以上の、嗅覚が正常な者によって評価した方が正確です。

さまざまな検査を行い総合的に判断する
他にも、口臭にはお口の中の細菌が関係するため、むし歯や歯周炎・歯周病の検査、プラークの付きぐあい、舌苔の付きぐあいもチェックします。舌苔のチェックは、舌を前に突き出していただき、奥の方も観察します。舌苔の色(白、黄、褐色、黒)や厚さ(薄い、中程度、厚い)、面積をチェックします。これらの測定や検査の結果を総合的に判断します。
口臭の測定では、口臭の基準が定められています。
ガスクロマトグラフィーや口臭測定機器は、ヒトの嗅覚闘値の揮発性硫黄化合物(VSC)濃度を、硫化水素(112ppb)、メチルメルカプタン(26ppb)、ジメチルサルファイド(8ppb)と設定しています。
硫化水素のみが高い場合は、舌苔が主な原因の生理的口臭と考えられます。歯周疾患が原因の口臭では、メチルメルカプタンとジメチルサルファイドの濃度が高くなる傾向にあり、濃度が硫化水素に比べて明らかに高い場合、歯周疾患の原因を疑います。
ただし、肝機能の低下や降圧剤などの薬剤の副作用、サプリメント多飲の場合にも高値を示す場合があるため、医療面接で全身疾患や服用薬・サプリメントを確認しておくことが大切です。
また、毒性があることで知られる硫化水素だけでなく、他のVSCでも発がん性などが指摘されています。
口臭測定器で「口臭あり」と評価される基準は、
ブレストロン→250ppb以上
ハリメーター→130ppb以上 とされています。

口臭官能検査では「2」以上を口臭ありと判定します。