妊娠中の栄養の摂り方
こんにちは。谷山歯科医院です(^-^)
今回は妊娠中に栄養面で気を付けていきたいことについてお話していこうと思います!
お母さんのおなかの中ですくすくと赤ちゃんが成長していくにつれて、お母さんは赤ちゃんに栄養を吸い取られてしまいます。
妊娠前の食生活にプラスして摂取しなければいけない栄養素があるのをご存知でしたか?この時期に必要量が増える栄養素とその負荷量を下の表に記します。
カルシウムの負荷量は設定されていませんが、以前のブログでお伝えしたように、胎児の歯を形成するうえでも、また、妊娠中のストレスやイライラを軽減する上でもカルシウムは必要です。
成人女性のカルシウム必要量は600mgです。
これを目安に十分な量を摂るようにしていきましょう。
カルシウムを効率よく摂取するには吸収の良い乳製品、小魚を積極的にとり、また上に記したように食品の組み合わせにも注意してください。
料理をするのが面倒で、カップラーメンやインスタント食品に頼っていませんか?
加工食品に多く含まれるリンはカルシウムの吸収を抑制する天敵です。
まずは自分のBMIを知ることから始めましょう!
BMIとは肥満度を調べる目安となる指数です。妊娠前のご自身の身長と体重を次の式に当てはめて求めてみましょう♪
BMI=体重(kg)/身長(m)×身長(m)
ご自身のBMIと次の表を当てはめてみてください。
あなたの理想的な体重増加量はいくつですか?すでにオーバーしていませんか?
低体重:BMI 18.5未満 → 9~12kg
ふつう:BMI 18.5以上25.0未満 → 7~12kg
肥満 :BMI 25.0以上 → おおよそ5kg
※BMIが25を超える場合は肥満と診断されます。BMIが25を超える方は医師の診断を受けて、個人にあった体重増加量を示してもらってください。
鉄分の必要量はこの時期大幅に増えます。この時期は
約900~1000mgの鉄が胎児、胎盤の発育、母体の赤血球増加のために必要となります。
妊娠中期から末期は鉄欠乏症貧血に陥る危険度が高く、栄養管理においても最も重点を置きたいところです。成人女性の1日の鉄の必要量が12mgですから、妊娠期はその2倍近くの鉄を摂取することになるのです。
鉄を摂るポイント
①含有量の多い食品を選ぶ
②吸収率のよい動物性たんぱく質を増やす
③吸収促進のためのビタミンCを豊富に摂る
④サプリメントの利用
また、一般的には鉄が多く含まれているといわれるホウレン草には鉄の吸収を阻害するシュウ酸が含まれています。調理の際に必ず茹でてから食べるようにしましょう。
お茶に含まれるカテキンも鉄の吸収を阻害するので、サプリメントを利用する際には必ず水で服用するように注意してください!
妊娠期は運動不足になりがちなので、肥満の問題もでてきます。
この時期の摂取エネルギーに対する脂肪エネルギー比は20~30%と設定されていますが、脂質は質を考えて摂取したいものです。
調理の際には、一価不飽和脂肪酸の多いオリーブ油やn-3系高不飽和脂肪酸であるα-リノレン酸の多い油を選択し使用するようにしましょう。
また、動物性の油を摂る際にも、肉よりも魚を選んで魚油から脂質を補うようにしましょう。
魚の油にはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)という成分が含まれています。
これには、脂肪が沈着し詰まってしまった血栓を溶解させ、血液をサラサラにし、善玉コレステロールを増やし、中性脂肪を減らす効果があります。
肥満を防ぎ、生活習慣病として問題にもなっている動脈硬化の予防にも効果的です。
旬の時期の魚は栄養も満点ですので、おいしくいただきましょう!!
また、近年問題になっている妊娠高血圧症候群も肥満が危険因子となります。
「赤ちゃんの分もしっかり食べないと!」とついつい食べ過ぎてしまわないように、こまめに体重計にのり、自分の体重管理をすることが、妊婦さんの立派なお仕事です。
妊娠期はご自身とこれから生まれてくる赤ちゃんがおへそを通して繋がっている、神秘的でかけがえのない時間です。情緒不安定になったりイライラしたりするときこそ、生まれてくる赤ちゃんを想い、一足早い育児だと思って頑張ってくださいね^^
多く述べてきましたが、食生活の基本は変わりません。
好き嫌いせずに多くの食品を偏りなく食べてください。規則正しい食生活を続ければおなかの赤ちゃんも、ご飯の時間がわかってその時間におなかを叩いてご飯をねだってくるかもしれませんよ(笑)