被せ物が長持ちした症例に共通していること
「この被せ物、もう10年以上持ってるんだよ」
そんな話を歯医者さんから聞くことがあります。
一方で、入れてから数年で外れたり、やり替えになったりする被せ物もあります。
同じように作られたはずの被せ物なのに、なぜ寿命に差が出るのでしょうか。
技工士として多くの症例を見てきた中で、
長持ちした被せ物には、いくつか共通点があると感じています。
今回はそのポイントをお話しします。
被せ物の寿命は、
実は「被せ物そのもの」よりも、
その下にある支台歯の状態に大きく左右されます。
• 残っている歯質が十分ある
• 虫歯がしっかり除去されている
• 土台が適切に作られている
こうした条件がそろっていると、被せ物は安定しやすくなります。
どんなに良い被せ物でも、土台が弱ければ長持ちしません。
技工士として最も重要だと感じるのが、
被せ物の「適合」です。
• マージンが明確
• 内面のフィットが良い
• 浮きやズレがない
適合の良い被せ物は、
• セメントが長持ちする
• 虫歯が再発しにくい
• 外れにくい
といった特徴があります。
見えない部分ですが、長持ちするかどうかを決める大きな要因です。
長持ちしている被せ物は、噛み合わせのバランスが良いことが多いです。
• 強く当たりすぎていない
• 力が一点に集中していない
• 周囲の歯と調和していない
噛み合わせが適切だと、
• 割れにくい
• 外れにくい
• 周囲の歯にも負担が少ない
結果として、被せ物全体の寿命が延びます。
長持ちしている被せ物には、共通して「無理のない形」があります。
• 過度に尖っていない
• 薄すぎない
• 清掃しやすい形態
見た目だけを優先しすぎると、耐久性が下がることがあります。
機能と審美のバランスが取れている被せ物ほど、長持ちしやすい傾向があります。
長持ちした症例の多くは、
• 印象の精度が高い
• 写真が共有されている
• 仮歯の情報がある
• 指示書が具体的
といった特徴があります。
技工士に十分な情報が届いていると、完成度の高い被せ物が作れます。
意外かもしれませんが、患者さん自身のケアも大きな要因です。
• 定期検診に通っている
• 歯磨きが丁寧
• 歯ぎしり対策をしている
こうした習慣があると、被せ物だけでなく、周囲の歯も守られます。
技工士から見ても、「長持ちしている症例」は、患者さんの意識が高いことが多いです。
長持ちしている被せ物の裏側には、歯医者さんと技工士の良い連携があります。
• フィードバックがある
• 修正点が共有される
• 方針が一致している
こうした関係性があると、被せ物の質は自然と高くなります。
被せ物が長持ちする症例には、特別な秘密があるわけではありません。
• 支台歯の状態
• 適合
• 噛み合わせ
• 形態
• 情報共有
• 患者さんのケア
• 医院と技工所の連携
これらの積み重ねが、被せ物の寿命を決めています。
素材だけではなく、「作り方」と「使い方」が重要です。
技工士として、これからも長く使ってもらえる被せ物を目指して、一つひとつ丁寧に向き合っていきたいと思います♪